会計士女子の来し方行く末

東京で働く会計士♀です。野心となげやりのあいだ。

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出張帰りに駿府城跡を見てきました。

会計士は担当クライアントにもよりますが、比較的出張の多い仕事です。特に製造業や小売業を担当として持っているのであれば、工場や倉庫の棚卸立会、現金実査や営業所の内部統制を見に全国各地に出張に行きます。

また、大手監査法人であれば全国に事務所がありますが、東京事務所が例えば大阪のクライアントを担当することもあったりします。「それもう大阪事務所で見れば?」と思ったりするところなんですが、東京事務所のパートナーが取ってきたりする仕事だとかその他諸々の事情で、出張の交通費や宿泊代等のカネの掛かる監査が行われていたりします(当然、経費ですので最終的にはクライアント負担です)。

 


福利厚生のほとんどない監査法人勤務の唯一の(?)旨味は、こういった出張の際に、全国各地を旅行したりすることができることです。出張の前後に有休をつけて出張先の近辺に立ち寄ることができます。



私は基本的にはあまり出張はないのですが、先日、静岡に出張に行った折に駿府城跡に寄りました。
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帰りに立ち寄ったので、夕方になってしまいました。。。
 
駿府城と言えば、徳川家康が晩年を過ごした場所ですが、今は城のほとんどはなくなっており、石垣や門、櫓が少々残っているのみで、現在は「駿府城公園」となっています。
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駿府城公園は静岡駅から徒歩十数分のところに位置し、付近には大きな都市銀行や地銀の建物、公的な機関が集まっていました。
とりわけ当公園の手前に静岡県庁の庁舎があるあたり、家康公のお膝下、静岡の中枢を担う地としての矜持が窺える、そんな雰囲気でした。
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静岡県庁
 
もう城そのものは残っていないものの、残骸のように残った城の一部やだだっ広い敷地が、不思議と「昔はここに城があったんだ…」と感じさせ、400年前の情景に思いを馳せます。。
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城であったことが分かる遺物もあるけど…

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ほとんとただの公園、といった風情です… 市民の方がお散歩したり、会話したりする姿がチラホラ。
 

私は歴女ってわけじゃないんだけど、昔から日本史や中国史等の世界史の話や歴史物の小説、学校の授業が好きで、よくこのジャンルの本を読んでいました。
中学生のころ山岡荘八の「徳川家康」を読んでから、日本史での歴史上の人物では家康公が一番好きです(好きっていう表現もちょっと違うけど)。山岡荘八のこの本は、確か26巻くらいあるんですよ。いま思い返してもよくあれだけ読んだなって思うのですが、巻数、っていうか寿命の長かった家康公の生涯を描いたこの小説を読むと、信長も秀吉も読む必要なし、くらいのボリュームで。読了したときには家康公の生涯を並走し、最後の彼の死まで看取ってしまったという不思議な感覚に充たされて、涙が溢れたのを覚えています。

あの時から約15年も経ってしまったんだな、というか、ここに来るまでにこんなに年月がかかってしまった、と思って感慨深かったです。
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鷹狩の様子の家康公の銅像

 「人の一生は重き荷を負うて遠き道を行くが如し」

この有名な遺訓()は、本当に家康公の人生のすべてが詰まった言葉だなあと思います。

昔、弟が日光東照宮に学校の遠足で行ったときに買ってきてくれた湯呑(!)にこの遺訓が書かれていて、実家で使っているんだけど、とても気に入っています笑


「歴史」って、面白い。西暦2016年に生きている自分から見れば、1600年前後の時を振り返れば立派な「歴史」だけど、当時の人にとっては、その時点の自分たちの日常以外の何物でもなかったわけで、今の自分も後から振り返れば、「過去の自分の歴史の一時点」でしかないんだな~って。そんなことを思っちゃいます。


※…
人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し。急ぐべからず。
不自由を常と思えば不足なし。こころに望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。
堪忍は無事長久の基、いかりは敵と思え。
勝つ事ばかり知りて、負くること知らざれば害その身にいたる。
おのれを責めて人をせむるな。
及ばざるは過ぎたるよりまされり。

 

徳川家康(1) 出世乱離の巻 (山岡荘八歴史文庫)

徳川家康(1) 出世乱離の巻 (山岡荘八歴史文庫)

 

 

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