71冊の「ビジネス書マンダラ」が使えるかも〜⁈ 『外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術』を読みました
本の読み方に関するテクニカルな本って読んだことなかったのですが、web版の東洋経済を見ていて、この記事↓↓を読んだことがきっかけで『外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術』を購入し読んでみました。
◼︎目次
第1章 「仕事につなげる読書」6つの大原則
第2章 【ビジネス書×何を読むか】ビジネス書は「これだけ」読めばいい
第3章 【ビジネス書×どう読むか】古典には読む「順番」がある
第4章 【教養書×何を読むか】好きな本を読んで「ライバルと差別化」する
第5章 【教養書×どう読むか】情報の「イケス」をつくれ
第6章 「書店を散歩する」技術
第7章 「本棚」で読書を仕事につなげる
特別付録 これだけ読めばいい!「ビジネス書マンダラ」
(小見出しまで記載してしまうと本の内容そのまま転載な感じになってしまいますので、大きい目次のみにとどめました)
大体の内容は上記リンク先記事で山口氏その人の記事をお読みいただき、また本の雰囲気はAmazonのページの他の方のレビューででもザッとご確認いただくとして、私自身がふむふむと思ったポイントは…
- 本にはビジネス書と教養書の二通りがあり、前者は厳選された本を繰り返し読み、後者は自分の好きなものを幅広く読む。
- 線引き・書込みなどをして何度も折に触れて読み返し、本を「耕す」ことではじめて日々の知的生産性を高めることができる。
- 同時進行で10冊以上読む。
という点でしょうか。
1.ビジネス書は深く狭く、教養書は広く浅く読むべし
…とのこと。というのは、ビジネス書の類は世の中に多く出版されているけれど、その内容は過去の著作の焼き直しであることが多いから。根本的な思想は、一定数の書籍をよく読み理解すれば大方の事象には応用できることのとです。そしてここで大事なことは、これら古典の解説本・サマリー本でなく、しっかりとオリジナルを読むべし、とのことです。原書の記述のプロセスを皮膚感覚で理解することが重要であり、これを端折った解説本やエッセンスのみを抽出した内容を読んでも、読者の血や肉とならないから、という理由でした(これは激しく同意!!)。
限られた資源である時間を少数精鋭の良書に投資するーこれがもっとも効率よく仕事に活用できると。本書では、その厳選された「とりあえずこれを読もうか!」な71冊のビジネス書マンダラが提供されており、東洋経済の上記記事のリンク先でも見ることができます。いわゆる名著・古典と呼ぶべき本ばかりです。いくつか読んだことがある本も含まれており、この必読ビジネス書リストはかなり使えそうな感じがするので、私もこの中から今後読んでいこうかなぁと思っています。
一方で、教養書は自分の好きな本を、その時に読みたい本を、短期的に必要な本を興味の赴くままに読んでいくことで、他人との差別化につながり、またその本の選択によって自分の興味・関心を知ることができるということでした。
2.書込みながら、繰り返し読むべし
次に、私もはじめて実践してみた本に線を引く、という作業。山口氏は本に直接作業していくことで「何が大事なポイントかを思考しながら読むことができる、本との対話ができる」という書込み作業の不可欠性を強調しておられます。
最終的には5つ、多くても9個までに絞って、evernoteのような検索をかけられる媒体に重要項目を書き写してゆく作業をしますが、このデータベース化により自分の得た情報をアクセスしやすい形で蓄積し、常に頭の中のワーキングメモリを軽い状態にしておくことができるとのことです(著者はこの情報の蓄積を、いつでもお魚を釣れる池に喩えて「情報のイケス」と称されています)。
私自身もやってみたところ、どこがポイントなのか、他の事象に普遍的に応用・展開できそうなコンセプトはどの部分なのか、かなり意識して読み進めることができました。何もしないと、漫然と読んでしまいがちですし…。
(電車の中で立って線を引いたので、赤ちゃんのイタズラ書きみたいなラインになってしまいました… キニシナイ‼︎笑)
量を読んで満足するといった従来のやり方を変えて、しっかりと一つの本と向き合う必要があると感じました。
ただし、当然かもですが、どこがポイントか頭を働かせながら読むわけなので、情緒や涙を誘う小説、勢いで読むエンターテイメント系のおもしろ小説などには全く向かない読み方です…(多分著者もこういった読み方は勧めていない)
また、「繰り返し読む」というのが私はとてもイイな!と思ったのです。山口氏は「人間は忘れる生き物である」という前提の元に記述しています。これ、本当に身に覚えがありすぎます…。読んでもすっかり忘れちゃうのですよね…。『ビジョナリー・カンパニー』は1、2巻とも読んで、ビジネス書なのに何故か情緒的な古典文学を読んだ時のようにいたく感動した記憶があるのですが、これが全っ然内容を覚えていないのですよ…。一度読んだだけでは意味がないっていうのは実感として納得した部分です。
(※この記事、実はひと月以上前に書き溜めていた記事だったのですが、仕上げるにあたって本書を再読しました。…ほんと、実際かなりの部分忘れていました。しかも二回目に線を引いたところ、一回目とは違うところにかなり引いてますし、一回読んだだけではよくわからなかったところも理解が深まりました。)
(一度目は赤いボールペンで、二度目はオレンジのマーカーで引いてます。)
3. 10冊以上同時進行で読むべし
え〜、一冊ずつ各個撃破が基本なのでは⁈と思っていたのですが、著者の主張としては、「その時の気分に合わせて読む本を選ぶことで、“今はこの本の気分じゃないから読まない”というアイドルタイムが無くなるでしょ?」というもの。まー、確かに…今は戦略論なんて読む気分じゃないんだよね、とか、恋愛小説って感じでもない、とか、読みかけに手が伸びないってことよくあります。
また、その時の自分では理解できない内容も、それは自分のせいではなく、今の自分にはまだ早いとか必要ないとかいった理由によるものであり、理解できないことにネガティブに感じなくてもよいとのことです。だからそのためにもたくさん選択肢を用意しておいた方がいいようです。
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いくつかのポイントを取り入れることで読書習慣が良いものに変わりそうな予感がします!
また私は、ビジネス書のようなテクニカルな内容であっても、「“自分の言葉”で書かれている感じ」のする本や記事が好きです。著者の個性というかパーソナルな部分に触れることができるような気がするから。そういった点から読んでも、この本は無機質な技術論だけでなく、「俺はこう思うんだよ!」という著者の魂の主張?が聞こえてきそうで、なんとなく引き込まれるような本でした。
今年は実り多い読書を沢山できるといいなぁ。
外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術 (中経出版)
- 作者: 山口周
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